「危ない修学旅行3 〜 Termalismo 〜」
 (24歳山獄・温泉編)
 <内容紹介>



 旧館へと足を踏み入れた獄寺たちは好奇心に負けて、ついつい思い出話をしながら無人の館内を歩き回り、広間や宿泊部屋を順番に覗いていった。
 そして二階の一室にたどり着いた時。
「この部屋だな」
 自分たちが泊まった部屋だと一目見て確信したのには理由がある。
「反対側じゃねぇ?」
「いや、窓から見える松の枝の位置が合ってる。絶対こっちだ」
「細かいこと覚えてんのなー」
「そりゃだって、ほとんど一晩中視界に入ってたんだから…………あ」
「ふーん……」
(しまった!)
 うっかり口を滑らせてしまい、慌てて口を塞いでみたが遅かったようだ。
「なるほどね。確か布団はこういう向きで引いてあったよな」
「ちょっ……おい? 待て!」
 目の前の表情が変わったかと思うと、獄寺はあっという間に畳の上に押し倒されていた。
 抵抗する間もないくらいだ。
「な…………よせって……ぁ」
 浴衣の裾をすばやく捲り上げて、伸し掛かってきた山本に強引に膝を割り入れられて、閉じられなくなった腿の内側を手のひらで撫でられる。
「……何してんだよ、こんなとこで」
 きつく睨み上げた瞳を間近から見下ろしてくる漆黒の双眸が、ふっとやわらいだ。
「獄寺に煽られた」
「俺のせいにすんな! だいたい、あの夜だっておまえが強引にするから…………俺はやめろって何度も云ったのに」
「ん、そうだな。けど、悪くなかっただろ?」
「ば……」
「布団の中で声堪えて、せつなそうに震えてさ。俺にしがみついてめちゃくちゃ感じてたもんな、おまえ」
「この、ばかっ! 恥知らず! 信じらんねー……」
「だから俺、すげー幸せでさ。夢中になっちまった」
 ごめんなと囁きながら、目の前で幸せそうに微笑んでみせるのは、ずるいと思う。
 無理やりこんな体勢に持ち込んだくせに、啄ばむようなやさしいキスを繰り返したりするのも。
「……隼人」
 いつもより少し甘い声音で名前を呼ぶのも。
「だからってあんな…………バカだろ、おまえ」
「うん。一応反省はした」
「っとに、もう」
 こんな男に本気で惚れて、十年も一緒にいるなんて自分こそ大馬鹿だ、と思いながら瞼を閉じる。
「――――」
 ゆっくりと顔が近づいてくる気配がして、唇にあたたかいものが触れた。
 すぐに離れて、確かめるようにもう一度。
 角度を変えて三度目に触れてきたそれは、じきに深く合わさり、口腔内にぬるりと侵入してきた舌によって官能の火をともす合図となった。

「……っ」
 あらわになった腿を這う右手と同時に、反対側の手が襟を崩して胸元の肌を晒す。その隙間に落ちてきたキスは、やがて胸の突起を舐めしゃぶる動きへと変わっていく。
「んっ……ぅ…はぁ……」
 何度も、何度も同じ箇所を口に含まれ、舌先で突付かれ、ねっとりと転がされた。かと思えば甘噛みされて、ジンと痺れたところをきつく吸われて危うい声が洩れてしまう。
「あ…………あぁっ…ん!」
 時折首筋や鎖骨へのキスも織り交ぜながら、それどもしつこいくらい左右を交互に吸われて赤く色づき、ぷっくりと立ち上がった二つの突起が唾液で濡れそぼる頃、今度は脚を撫で回していた手がそろそろと付け根に近づいてきた。
「……ぁ、んっ」
 まるでからかうような軽い動きにも思った以上に反応してしまうのは、弱い箇所だとバレている胸元への愛撫が濃いせいだろうか。
「ん、んん…っ! も……そこ、ばっかり……」
 それともギリギリのところでしっかりと触れてもらえない焦燥が、かえって快感を煽るのだろうか。
 下着を腰からずり下ろしていく動作にも腰がぴくりと跳ねそうになる。
「どこ触って欲しい?」
「そっち……も」
「ん? ここか?」
 当然分かっているはずなのに、ハッキリ云わなければ伝わらないとでもいうように、山本はすでに形を変えて期待を示している獄寺の雄芯には目もくれず、腰をわずかに浮かせた隙間から差し入れた手で双丘を揉みしだく。
「くっ……ん、うぅ」
 それでも刺激が前に伝わり、気づかぬうちに獄寺は自分から脚をさらに開いていた。
「…………はっ、ぁ……あ」
 帯はまだ解けていないが、浴衣は裾も襟もすでにぐちゃぐちゃだ。
 白い肌をほんのり色づかせてねだるように腰をうねらせ、四肢の先を強張らせている獄寺にそうした自分の格好を認識する冷静さはすでにない。皮膚の薄い箇所を指先でなぞられるだけで肌全体が粟立ち、四肢が戦慄く。
「や…まもと」
「うん、悦いんだろ? すげぇやらしい顔してる」
「ばっ……ちが……」
「違わねーよ。だって、ほら」
 山本は獄寺に片脚を深く折り曲げさせると、際どい箇所にも口づけを落としていった。音を立てて、隠微な紅い花片を散らしながら。



                    ※    ※    ※


昨年夏に出したDVD「ボンゴレ式修学旅行、来る!」発売記念突発本のコピー誌
「危ない修学旅行〜浴衣でGO!〜」を24歳側の視点で描いた一冊「Daccapo」は
山本のお仕置きHで終わってしまい温泉までたどり着けなかったので、再チャレンジ
しました!「温泉」というタイトル通り、テーマはずばり「温泉と畳H」です(〃▽〃)
なので、とにかく二人がやたらイチャイチャしてます←これはいつもだけど……
あまりにもギリギリだったので自分としてはちょっと書き足りなかった部分もあるのですが
二人のLOVE度に関しては低くないと思います。やっぱり浴衣とか温泉っていい…!

2011.1.9 初出し A5 36P コピー誌 @300−/2011.1.10 内容紹介UP



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