Midsummer Madness
 「TIGER&BUNNY」 (兎×虎)
 <内容紹介>



「いいよ、いいよバーナビー! 最高っ!」
 カメラマンの声に応えて視線を向けると、フラッシュが焚かれて二度、三度と眩い光が瞬いた。
 雑誌の撮影と取材。それが本日のお仕事である。まるでどこぞのアイドルのようだが、愛想笑いは得意だし、こういうくだらない雑務もたまにはいい。なんといっても虎徹と会話しなくてもいいし、よけいなことを考えて多少ぼーっとしていても命に関わることはない。
 今日のような日にはもってこいの仕事だった。
「スマイルOK! 今ので絶対売り上げ伸びるよ」
 ファインダーから目を離さずにシャッターを切り続けているカメラマンの背後で、ロイズ氏が満足そうに口角を持ち上げる。 「記事はバーナビー中心でお願いしますよ。あっちはあくまで添え物なんで」
 あっち、と指差されたのはむろんワイルドタイガーこと、鏑木・T・虎徹だ。撮影所に到着早々のけ者にされてしまった彼は、暇を持て余しているのか、さっきから同じ新聞を何度も開いたり閉じたりしている。
 その姿を時折横目で眺めながら、バーナビーはここ数日の己の混乱ぶりを深く反省していた。
 例えば衝撃の一夜が明けた翌朝。オフィスで虎徹と顔を合わせた途端、走って逃げ出してしまったり。
 あるいはトレーニングルームでランニングをしている最中、通りかかった虎徹に「よっ、張りきってるなぁ」と笑顔で声をかけられて、マシンから転げ落ちてしまったり。
「どうかしたの、ハンサム? 今日はおかしいわよ」
 その瞬間を目撃したオカマに真顔で突っ込まれ、
「ほーんと、別人みたい」
 ませた小娘に冷たく揶揄され、
「大丈夫でござるか?」
 忍者フェチに気遣われて、
「何かあったなら相談に乗るぜ! まぁ俺じゃ頼りにならないかもしれないけどなぁ、ハハハッ」
 体力自慢に笑い飛ばされ、
「我々はライバルである前に仲間だ! 一人で抱え込まずに悩みは打ち明けてくれたまえ。さぁ語り合おう、そして語り合おう!」
 天然にボケられて、がっくり肩を落としていたら
「……大丈夫か、バニー?」
 そもそもの原因である虎徹に心配そうに覗き込まれて、ちょっと今日は熱があるみたいなんで、とかなんとか苦しい言い訳をして逃げ出したり。
 変に意識しすぎて、自分でも信じられない醜態の数々を晒してしまった。だが、多少時間を置いて冷静になってみれば、やはりあれは間違いであったとしか思えないのだ。
(きっとあの日は身体の調子が悪かったんだ。茶番につきあわされて、すごく疲れていたし)
 無理やりだろうがなんだろうが、バーナビーはそう結論付けることにした。
(でなきゃ、あんなこと……)
「はーい、お疲れ様!」
 ようやく撮影が終わり、ライトとフラッシュの洪水から解放される。
 ずっと放置プレイ状態だったおじさんも少しは構ってあげるべきだろうかと思って近づくと、彼は一人でニヤニヤしていた。
「何がおかしいんです?」
「いやぁ、この漫画がツボにはまって、はまって……」
 新聞を指差しながらへらへら笑っている虎徹を見下ろし、バーナビーは改めて小さくため息を洩らした。
(やっぱりこのおじさんに勃つなんて、絶対有り得ない。早く本当の自分を取り戻さないと。仕事に支障が出る前に)
 ところが、別の仕事を言いつけられて虎徹が立ち去った後―――――新たな衝撃がバーナビーを襲ったのである。
 テーブルの上に置きっぱなしにしていた携帯を何気なく開いてみると、待ち受け画像がまったく見覚えのないものになっていた。変な顔をした虎徹の顔写真だ。きっと自分で写したのだろう。
「また、あの人は! いい歳をして、くだらないイタズラばっかりして」
 しかし口で怒るほどに腹は立たない。
(いくらなんでも、こんな子供みたいなこと。放っておかれてよっぽど退屈だったのかな。それとも誰にも相手にされなくて、寂しかったとか? そういえば、ちょっと拗ねた顔をしていたような……)
 虎徹の拗ねた表情がぽんと脳裏に浮かぶ。
 すると、不覚にも胸のあたりがキュンとなった。
(………………え?)
 まさに不意打ちだ。
(…………)
 二度、三度とゆっくり瞬きや深呼吸を繰り返して、首を傾げる。
(……………………キュンって、何が……?)
 擬音が間違っているんじゃないのか? それとも本格的に脳の回路がいかれてしまったのだろうか? 股間の次は、心臓が反応するなんて。いや、そもそも順番が逆だろう、などと内心で一人ボケ突っ込みをしてしまうぐらい、バーナビーは混乱していた。
(びょ…………病院に行くべきだろうか……)
 不安が激しく渦を巻き、青ざめる。
「バーナビーさん? どうかされましたか?」
「あ……いえ」
 おかげで、その後のインタビューはひどく上の空になってしまった。



「だいたいですね、あなたは迂闊なんですよ」
 指差して告げたバーナビーに虎徹がムッと下唇を尖らせる。
「そんなことねぇだろ! おまえこそちょっとスカしすぎだぞ? 後輩なんだからもうちょっとこう愛想よくしとくべきだろ。カメラの前だけじゃなくて」
 両者とも床に座り込み、ボトルやグラスを抱えての舌戦が始まって早三十分。口調も内容もだんだんエスカレートしつつあるのは、空になっていくボトルの数と比例しているかもしれない。
「いいえ、僕は普通です。あなたが迂闊なんです。抜けまくりです」
「抜け……って、おい。目が据わってるぞバニーちゃん」
 自分だってすっかり酔いが面に出て、とろんとしたあやしい目つきになっているくせに。
「そんなだからすぐ犯人に逃げられるし、人の物を壊したり賠償金払わされたりするんですよ」
 不満に思ったバーナビーが眉を跳ね上げても、虎徹は気づかない。
「悪かったな。おまえ、ちっと飲みすぎじゃねーか?」
「僕はまだ酔ってません」
「あー、酔っ払いはみんなそう言うんだって。ほどほどにしとけよ」
「あなたこそ顔が真っ赤じゃないですか。ずいぶん可愛らしい酔い方ですね」
「ばっ……バカ言うな!」
 フッと口角を片側だけ持ち上げて笑うと、虎徹はまた唇を突き出した。
 よくない癖だ。
(そんな顔されるとキスしたくなるって教えてあげた方がいいかな)
 不満そうに突き出された唇をじっと見つめながら胸の内でつぶやいた次の瞬間、ふと我に返って首を傾げる。
(あれ? 今なんか…………変なことを考えたような……?)
「俺は〜、アレだよ。ほら、顔に出るだけでホントは全然平気なんだよ」
「そうですか? 全然そうは見えませんけど」
 おかげで「言葉がすんなり出てこないだけですでに限界だと思いますよ」と突っ込むべきところなのに、セリフを出し損ねてしまった。まぁもっともこのおじさんは、シラフでもたまにそういうことがあるから、アレとかソレとか言って単語を口にしないのは必ずしも酔いのせいとは言い切れないのだが。
「弱いなら弱いと素直に認めたらどうです? お酒の量なんて体質の問題ですから、べつに恥ずかしくないですよ」
「ちっげぇよ! 弱くねーっての! だいたい俺は酒屋の息子だぞ」
「……へぇ? そうなんですか」
 まぁだからといってお酒が強いとは限りませんけどね、とスパッと切り返したら、おまえホント可愛くないねと言われてしまった。
「べつに、あなたに可愛いなんて思って欲しくありません」
「あーそう」
 虎徹は億劫そうにカラになったボトルを床に転がし、ビールの缶に手を伸ばす。炭酸が欲しいと要求されて、さっき仕方なく冷蔵庫から追加で持ってきた分だ。
「けど、あなたのことは結構可愛いと思ってますよ、最近」
「あーそう…………って、えぇ?」
 とろんとしていた目が一瞬だけパチッと見開かれて、こちらを窺ってくる。
「今、なんつった?」
 怪訝そうに尋ねられて、バーナビーは思わずあさっての方向に視線を逸らした。
「そんなもんばっかり飲んでると、そのうちお腹が出てきちゃいますよって言ったんです。聞こえませんでしたか?」
「なんだ、そっか。大丈夫だって、このぐらい」
「…………」
 変なことを言っている自覚はあったのでごまかしてみたが、聞き間違いだったかと露骨に安堵されると、それはそれでちょっとばかり意地悪な気分が頭を擡げてくる。
(しょっちゅう人の言うことを聞き流して忘れてるくせに)
「なんなら太ったかどうか、またお姫様抱っこで確認してあげましょうか?」
 軽く揶揄してやると、案の定虎徹は苦々しい表情で口許をへの字にひん曲げた。
「おまえ絶対友だちいないだろ」
「いいんです。どうせ僕には遊んでる暇なんかないし」
 それに、と声を潜めたのは半分独り言だったからだ。
「今はあなたがそばにいますから」
「……はい?」
 今度こそきょとんと目を瞬かせている虎徹の手からビールの缶を取り上げ、黒い双眸を覗き込む。
「あなたときたら理想と言い訳はすごいけど、仕事ではミスばっかりして僕の邪魔をするし、よけいなことして周囲からも睨まれてるし、挙げ句に変な男に狙われたり襲われたり」
「いやいやいや、それ俺のせいじゃねーだろ? 特に最後の、なんか変な言い回しだったぞ?」
 おじさん酔っててもちゃーんと分かるんだからな、と反論してくる男の肩を押して、どさりと床に押し倒した。
「あなたのせいですよ。僕がおかしくなったのも、全部」
「んなこと言われたって」
 腕を押さえて、戸惑いに揺れる瞳を今度は上から覗き込む。
「僕に構わないでくださいって、あれほど言ったのに。どうして聞いてくれないんですか? それとも、あなたが僕に構って欲しいんですか?」
「えぇ…?」
 酔っ払って火照った頬、会話している最中もずっと蕩けている瞳、まるで誘うようにうっすらと開かれた唇。その一つ一つが、今のバーナビーにとっては危険なサインだ。
「おかげでこっちは調子が狂って大変なんです。身体まで変になっちゃって」
 眉を顰めながら眼鏡を外して、さらに上から伸し掛かっていく。
「そ、そうなの? 大丈夫かバニー?」
 どうしてそんな体勢になっているのか理解していないくせに、感覚だけで笑みを引き攣らせているに違いない虎徹に、ちっとも大丈夫じゃありませんよと返して、バーナビーは白い包帯が巻かれた身体をそっと手のひらで撫でた。
「あなたは何も分かってない。僕がどれだけ…………」
 ルナティックに負わされた傷を見て胸が痛むほど不安だったか。そして己の言動を悔いたか。直接伝えるつもりなどなかったが、制御できなくなった心と身体は、今夜アルコールの力も借りて一つの答えへと向かいつつある。
「まぁどうしてもと言うなら、少しぐらい相手をして差し上げますけどね」
 バーナビーはくすりと笑いながら唇を近づけていった。
「ちょ……バニー? おまえ何して……」
 ゆっくりと合わさった唇は、すぐにまた離れて吐息だけが絡み合う。その距離で見つめ合うのは、キスを交わしているのとほとんど変わらない。
「酔ってるんですよ。あなた、さっきそう言ったでしょ」
 囁くように告げる。
「そりゃそうだけど、でもよ」
 今度は少しだけ舌を出して、もう一度。
「あなたも酔ってますよね? なら、いいじゃないですか」
「……そういうもんか?」
「シッ。もう黙って」
 濡れて光る唇に誘われて三度寄せた唇を、ついには深く合わせて、熱い舌を隙間から滑り込ませた。
「んっ……」
 ぬるぬるとした生温かい舌を絡め、口腔内を夢中で舐め回す。すると虎徹はほんの少し息苦しそうに眉をしかめながらも、ぼうっとした目で口づけに応えてきた。抗わないところをみると、彼も気持ちいいのだろう。
「ふ……うぅ」
 わずかに洩れる互いの吐息と微かに聞こえてくる呻きが、どんどんバーナビーの雄を駆り立てていく。
 これまで女性と交わしてきたどのキスより貪欲な感じがすると、ぼんやりした頭で自分の浅ましさを笑いながら、組み敷いた身体のラインを確かめるように手のひらであちこち撫で回す。すると虎徹の膝や腕が、時折ぴくりと反応した。
 もちろんその程度では物足りないから、胸元にも手を伸ばす。
「……ぁ」
 白い包帯の上から二つの突起を弄り、指先で何度も強く擦ってやるとたちまち虎徹はびくんっと四肢を強張らせて、大きく仰け反った。おかげでキスが解けて、甘く艶めいた声が響く。
「あ、あぁ……っく」
 感じ入ったと分かる喘ぎはおそらく無意識だろう。
 乳首への愛撫をしつこく続けていると、こぼれ落ちる吐息や声はさらに甘ったるくなっていった。だが、何しろ包帯の上からなので、擦るだけで摘むことも舐めることもできない。
(これ、邪魔だな……)
「すみません。後で直しますから、ちょっと包帯緩めてもいいですか?」
「ん? いいけど……なんでだ?」
 バーナビーは不思議そうに訊いてきた虎徹の胸元にしっかりと巻きつけられた包帯の留め金を外すと、傷を覆っているガーゼには触れないよう注意しながら、白い布を解いていった。
「こうするためですよ」
 やがてあらわになった突起を両方同時にキュッと摘む。
「あっ!」
 さらにそれを片方ずつ口に含んでねっとりと舌で転がしてやると、押さえつけている下肢が二度、三度と大きく跳ねた。
「くっ……うぅ、んっ」
「気持ちいいですか?」
 笑いながら尋ねて、口中のものに軽く歯を立てる。
「ううっ……ぁ、よせ……」
「どうして? ここ、嫌いじゃないでしょ」
 咥えていない方の突起も親指でぐりぐりと潰したり引っぱったりしながら、弾力を帯びてぷっくりと立ち上がったものを強く吸う。
「だ……だから、それ…やめっ」
「やめません。こんなにいい色に染まって、美味しそうなのに」
 唾液で濡れた小さな突起は赤く色づいていて、まるで何かの果実のようにも見える。
 男でもここが感じるなんて知らなかったが、反応を返されるとやはり楽しくなってきて、ついつい執拗なくらい弄ってしまった。
「バ、バニー! も……頼む、から」
 とうとう堪えきれなくなったのか、切羽詰った声で懇願されてバーナビーは、ああ、と頷く。
「すみません、気づかなくて。こっちがつらいんですね?」
 手を伸ばしたのは、ずっと触れずにいた下肢の中心だ。
「うっ……」
 虎徹は若くない上に、デリケートなその部分はあまり酒に酔っていると硬くならず、勃ち上がらないこともあるので、もしかしたらこちらは反応しないかもしれないと思っていたが、どうやら杞憂だったようだ。細身のパンツに包まれたその部分は、前が膨らんできつそうに張り詰めていた。
「ちがっ……そうじゃ、ねぇ」
「何が違うんです?」
「あ…………あ、あぁっ!」
 ゆっくりとチャックを下ろして、布地の上から緩く撫でられただけで震え出しそうな彼の分身を下着の中から引っぱり出してやる。すると、早くも達したのではないかと思えるような濡れた声が鼓膜を震わせた。
「……勘弁してください、おじさん。その声、反則ですよ」
 バーナビーの下肢も当然、苦しい状況だ。むしろ虎徹よりも若い分だけ危険度は高い。まさか喘ぎ声だけでイカせる気かと軽く睨むと、見た目に似合わず色っぽい声を上げた男はまたしても懸命に首を横に振った。
「じゃなくて…………こんなの、やっぱおかしいだろ」
「今さら、何を」
 狭い場所から解き放たれ、じわじわと頭を擡げつつある彼の分身を指先でピンと弾く。
「ひ…っ!」
「ココをこんなふうにしている人が言っても、説得力ありませんよ」
 いかにも刺激を待ち望んでいるようすの竿のくびれ部分に指を這わせ、先端を擦る。すると握り込んだモノがぴくぴくと震えた。彼があと十歳若かったら、たちまち達していたかもしれない。
「や、やめっ!」
「往生際が悪いですね。じゃあこれはどうかな?」
 そう言うと、バーナビーは屈んで虎徹のモノを口に咥えた。内心では自分の大胆さに結構驚いていたが、男相手でもなんとかなるもんだなぁと思う。同性のものを咥えるなんて、これまで一度も考えたことすらなかったのに。
(考えたこともなかったのは、おじさんも同じか)
「あ……ああっ! それ、だ……」
 ぴちゃぴちゃと音を立ててしゃぶってやると、目の前の腰がガクガクと揺れた。
(思ってたより細いな)
 日に焼けていないため、手足に比べてずっと色が白い腰の部分をちらりと見上げて、少し不安になる。こんな細腰に突き立てて、最後までしても大丈夫なのだろうかと。
 とはいえ、さすがのバーナビーでももう止まれないところまできていた。
 疼く下肢を宥め、ごまかすのもそろそろ限界だ。
「だめだ、もう保たないかも」
 時折腰を浮かせて、無意識の媚態を晒している相手の姿にも声にもさんざん煽られて、血流が一箇所に集まってくる。このままでは苦しくなるばかりだ。
 バーナビーはシャツとパンツをすばやく脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿になると、虎徹の下肢からもすべての布を取り去って、再び覆い被さっていった。
「とりあえずこれで」
 重ね合わせた二本の竿を両手で掴み、扱いていく。
「うっ」
「あ、あ、なん……だ、これ」
 それは予想したよりもずっと強烈な刺激だった。
 二人揃って呻きながら、腰を擦りつけるようにして呼気を乱す。ハタから見たら、双方ともさぞいやらしい動きをしていることだろう。
 おかげで快楽のボルテージは一気に解放の瞬間まで駆け上がっていく。だが、ここでも虎徹の側はもう少し時間がかかりそうだ。そのためバーナビーはギリギリのところで握っていた竿を放して、己の分身だけを根元から先端まで最後にもう一度強く擦った。
「……くっ!」
 そうして白濁した飛沫を先端から溢れさせ、勢いよく飛ばしたのだ。虎徹の裸身の上に降りかけるように。
 まだ達していない股間のモノをひくつかせながら、体内を駆け巡る熱に翻弄され、息を乱している身体のあちこちに散った、白い雫。アルコールと興奮ですっかり上気した肌を汚した欲望の証は、虎徹の頬や髪にまでかかってしまっている。そのなんとも言えず卑猥な光景に、バーナビーはごくりと唾を飲んだ。
「ず……ずりぃぞ、バニー」
 あと一歩というところで放り出された息子を持て余し、床に横たわったままの虎徹が恨みがましそうに見上げてくる。まぁ無理もない訴えだ。
「分かってますよ。ちゃんと気持ちよくさせてあげますから。でも、その前に……こっちをほぐさないと」
 言いながら今度は股間から、双丘の割れ目へと指を忍び込ませる。
「いっ……?」
「ほら、もっと脚を開いて」
「じょ、冗談……」
「だと思いますか?」



                    ※    ※    ※


こんな本です。なんかいろいろ申し訳ないですが楽しく書かせて頂きました!
まったくの別ジャンルですが興味のある方はぜひよろしくお願いします!

2011.8.12 初出し A5 36P オフセット @300−



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